ノルウェーの小麦粉の種類多すぎ問題
突然餃子が食べたくなったが、あいにくのCOVID-19流行によるロックダウンでお店は開いてないし、そもそも日本で食べられるような餃子がある中華料理店に心当たりがない。
作るか、となったが問題は餃子の皮である。
作ればいいんじゃね?と検索してみたが、どうやら薄力粉と強力粉を混ぜてつくるらしい。
そもそも薄力粉と強力粉とは?
最低限食えるだけの料理しかしてこなかったため、ふとそんな根本的な疑問が湧いたので調べてみたが、
どうやら、小麦粉に含まれている「グルテン」というタンパク質の含有量に寄るらしい。
実際の定義は見るサイトに寄って若干の違いがあったのだが、だいたいグルテンの含有量が6~8%のものが薄力粉、11.5%~13.5%のものが強力粉で、その間が中力粉とか準強力粉とか言われるらしい。
じゃあグルテンフリーの小麦粉は無力粉?
というかグルテンってタンパク質だったのか!
麩ってグルテンだったのか!
日々勉強である。
グルテンというのは弾力性があり、かつ粘っこい性質がある。グルテニンとグリアジンという2つのタンパク質が絡み合ってグルテンになるらしい。グルテンフリーのケーキとかがボロボロと崩れるのは、グルテンの粘つく成分がないからである。
パンなどを作るときには強力粉を使う。イースト菌が出すガスを逃さないようにするためで、パンが膨らむのはこのせいである。ケーキなどふんわり、さっくりしたものを作る時は薄力粉を使う。うどんなどは中力粉を使うらしい。餃子の皮もここに入るため、強力粉と薄力粉を混ぜるのだ。
ノルウェーの小麦粉
というわけで、ノルウェーの小麦粉を調べてみた。以下が調べたものの備忘録であるが、ノルウェー語もわからないし料理も大してしない私が調べたものなので、もし間違いなどがあればコメントいただければ幸いである。
もしノルウェーのスーパーに行って、「小麦粉多すぎ!どれ買えばいいの?」と思って検索した人がいるならば、
先にいうとSiktet Hvetemelがいわゆる一般的な小麦粉である。
ノルウェー人はやたらとパンにこだわりがあり、家でベイキング(パンやクッキーなどを焼く)する人も多いので、小麦粉にもやたら種類がある。
まるまる棚一つ小麦粉である。(厳密には「小麦」でないものもある」
小麦粉はノルウェー語でmelである。
しかし、穀物の種類としての小麦はhveteであり、一般的な小麦粉はhvetemelというので、melは穀物の粉、という意であろう。
一番普通のやつ
一番普通の小麦粉はSiktet Hvetemelというやつらしい。Siktetというのは「ふるいにかけた」という意味であり、精白された小麦粉である。一般的に「小麦粉」と言ったときに想像する白い粉である。
タンパク質の含有量は100g中11.2gなので、11.2%だ。上の基準でいうとめっちゃ強力粉寄りの中力粉ということになる。
全粒粉 Sammalt Hvetemel
ノルウェー語のSammaltは英語ではwholemealと訳されるがこれはイギリスでwhole-wheatを指すらしいので日本語では全粒粉であると思われる。
ここには売ってなかったが、Grovmaltの他に、finmaltもある。これは粗さの違いで、Grovmaltの方が粗い。
ホールグレイン Helkorn
これは英語でいうWhole grainになる。
Whole grainとWhole wheatの違いがよくわからないのだが、この記事によれば
Whole wheatは小麦の穀粒のうち表皮、胚芽、胚乳が含まれているが、whole grainは文字通り穀粒すべてが使われているという。
とりあえずめっちゃ香ばしいっぽい。
オーツ粉
右の方である。
日本語ではカラスムギというらしいが、オート麦とかオーツのほうが馴染みがあるのではないだろうか。
大麦粉 Byggmel
大麦粉である。
グルテンが含まれないため、パンなどを焼くと膨らみにくい。
ノルウェーではワッフルなどにも使われているらしい。そういえばノルウェーワッフルはペラペラである。
ライ麦と同様、寒い地方に強いらしい。
ライ麦粉 Rugmel
ライ麦は小麦に比べて寒さに強いらしく、北欧などで割とメジャーだったようだ。
グルテン自体は含んでいないが、グルテンの構成要素であるグリアジンは含んでいるため、多少はパンを作るときに膨らむ。
で、薄力粉は?
以上がノルウェーにおける主要な小麦粉の種類である。
とりあえず、小麦粉どれよ?となってこのページについた人はSiktet Hvetemelを買えばいいだろう。
他のブランドでも同じ名前である。
しかし、薄力粉に当たるものがない。近いものとしては、ケーキ用のミックスは売っているが、一般的にはノルウェー人はSiktet Hvetemelを使っているようだ。私もホットケーキをよく焼くが、以下のホットケーキ用の粉を買っている。
グルテンの量を調節するという観点ならば、薄力粉を作るためには大麦粉やライ麦粉を少しまぜるとよいのだろうか?
私のなけなしのノルウェー語力で検索してみると、「グルテンフリー粉と小麦粉を混ぜるとケーキええ感じに焼けるで」という記事が見つかる。(コーンスターチや米粉で作られたグルテンフリー粉も売っている)。
ちなみに餃子であるが、近所のアジア系スーパーに冷凍の餃子の皮が売っていたので、結局皮は作らなかった・・・。餃子は美味しく焼けました。